一人薬剤師 メリット

一人薬剤師のメリットって何だろう?

そもそも、自分は一人薬剤師に向いているのだろうか?

こういった疑問に答えます。

この記事を書いている私は、3店舗での一人薬剤師の経験があります。

最初は一人薬剤師のスキルを身に付けるのが大変だったけど、スキルが身に付き、一人薬剤師のメリットを味わえば、辞めたくなくなりました。

こういった私が解説していきます。

一人薬剤師だけが味わえる5つのメリット

人間関係のわずらわしさがない

調剤室のような閉ざされた空間で、気の合わないスタッフとずっと一緒にいると大変なストレスですよね。

調剤薬局というのは、狭い空間で、毎日毎日、一緒に仕事をすることになります。

最初は、気心が知れたスタッフだと思っていても、お互いに、ちょっとした考え方の食い違いがあるものです。

最初は、”少しくらいなら”と我慢できるかもしれません。

だけど、”少しくらいなら”の我慢が、毎日毎日、積み重なると、「もう我慢の限界!!」という日が訪れてきます。

一人薬剤師だと、そんな苦労は、まったくありません。

だって、一人ですから、そんな苦労をしてくても出来ません。

一人薬剤師は、はっきり言って”気楽”です。

店舗の自分専用ルールを決めることが出来る

一人薬剤師は、自分一人で店舗のルールを決めます。

薬剤師が2人以上いると、「自分とは違う意見を言う人」や「ルールを守ってくれない人」が少なからずいるものです。

そういった場合、ルールをたった一つ決めるだけでも大変ですよね。

他の薬剤師の意見も聞きながらルールを決めるのって、本当にめんどくさい。

それが、一人薬剤師だと、「ルールを決めるのは自分だけ」、「ルールを守るのも自分だけ」。

なので、ルールに”いちゃもん”を付けてくる人もいなければ、ルールを守らない人もいません。

ただし、自分一人でルールを決める以上は、間違いのないルールでないといけません。

「ルールが正しいかどうか?」は、

  • 最終的に、患者さんにとってプラスになるルールか?
    (薬局は患者さんのためにあるため)
  • 誰もが”当たり前”だと思えるルールか?
    (自分のルールが正しいかどうか=常識的なルールかどうか=誰もが納得するかどうか)
    (事務スタッフやヘルプに来てくれる薬剤師のことも考える必要があります)

が判断の基準になります。

私がルールを決める上で、いつも心掛けている基準です。

この基準に従えば、間違いのないルールを決めていくことができます。

 

Drと肩をならべて治療することができる

一人薬剤師は、全患者さんの”かかりつけ薬剤師”のようなものです。
(かかりつけの同意を取っていなくても)

何か月も同じ薬局で一人薬剤師をやっていると、顔を見るだけで処方内容が思い浮かんでくる患者さんが増えてきます。

そういう患者さんに対しては、

  • 服薬コンプライアンスは?
  • 副作用は?
  • 薬の効果は?

といったことが気になってきます。

すると、服薬指導でも親密な会話ができ、患者さんから、

  • 薬が飲みにくい。
  • 副作用が出てきた。
  • 効果が今一つ。

という情報が得られれば、「副作用が少なく、もっと効果が出る薬を飲んでほしい」という「患者さんのための処方提案」をやりたくなってきます。

そして、疑義照会→処方変更となった結果、副作用が減り、薬の効果が出てくれば、Drと肩を並べて、患者さんを治療することができるのです。

複数の薬剤師がいる店舗だと、同じ患者さんに毎回同じ薬剤師が服薬指導をするとは限りません。

だけど、一人薬剤師だと、全患者さんに服薬指導をするため、全患者さんの処方を把握できるのです。

疑義照会をして、患者さんの治療効果が感じられたら、「やったぜー、薬剤師やっててよかったー」って心底から思えますよ。

薬局全体の仕事を把握できる

複数の薬剤師がいる店舗だと、在庫管理、予製制作成、調剤過誤対策といった業務は、担当制になっていることが多いのではないでしょうか。

それが、一人薬剤師だと、全部の業務を自分一人でやります。

OTC管理やレセプト請求であれば、事務スタッフが担ってくれるかもしれませんが、調剤全般は全て一人で担うことになります。

さらに、返戻されたレセプトを把握して、今後、レセプト返戻されないための対策も担っていくことになります。

つまり、調剤準備から調剤過誤対策、そして、レセプト返戻の把握まで、薬局の全業務を把握することができるのです。

一人薬剤師になれば、”薬局の全仕事を把握できて、オールマイティな薬剤師”に短期間でなれます

全業務を把握していると、「この店舗は自分が運営している」という実感が湧いてきて、「この店舗の薬剤師をやっててよかった」と思えてきます。

給与が高いことが多い

一人薬剤師は、業務量が多くて、店舗全般の責任を担う必要があるため、給与が高額になることが多いです。

また、一人薬剤師の店舗は、「募集をしても、なかなか薬剤師が応募されない」こともあります。

そういう場合は、「なんとしてでも薬剤師に来てもらいたい」ために、給与を高額にされます。

給与額は、勤務地によって幅がありますが、年収で800~1000万円くらいです。

高額給与の一人薬剤師の店舗への転職は、「募集をしても薬剤師の応募が集まらない」薬局が狙い目になります。

ちなみに、「高額給与の一人薬剤師の店舗」=「仕事がきつい店舗」とは限らないです。

なぜなら、薬剤師が応募されない理由として、

  • 勤務地の問題(クルマじゃないと通勤できない場所)
  • 一人薬剤師という理由だけ

があります。

しかし、実際に働いてみると、”なんてことはない”というケースが多々あります。

私が以前に一人薬剤師で働いていた店舗は、”クルマ通勤のみ”だったためになかなか応募が来なかったのですが、全然問題のない薬局でした。

当時募集をかけていた転職エージェントに聞いたところ、

  • 一人薬剤師
  • クルマ通勤
  • そこそこ田舎

という理由で応募が来なかったようです。

転職先の情報を収集して、「給与が高い理由が何なのか?」が分かっていれば、全然問題ないです。

転職先の情報収集の方法については、「薬局薬剤師を辞めたい|転職に失敗しないための2つの情報と収集方法」で詳しく解説しています。

”一人薬剤師の経験あり”は、今後の転職で有利

面接のときに重要視されることの1つとして、「転職後、即戦力になるか?」というのがあります。

この”即戦力になるかどうか”の指標として、「調剤・監査・服薬指導ができているか」を確認するのですが、もし、「一人薬剤師の経験あり」なら、他の薬剤師よりも優位に立てます。

なぜなら、

”一人薬剤師の経験あり”と履歴書に書かれていた場合、面接相手が考えることは、

  • 店舗配属後すぐに、調剤・監査・服薬指導ができる
  • 管理薬剤師の経験があるため、ナンバー2として、店舗運営を任せられる
  • ちょっとしたトラブルがあっても、ある程度は自分で解決してくれる

「一人薬剤師の経験あり」というだけで、これだけの期待をされるのです。

ちなみに、これらの期待されることは、一人薬剤師を半年以上、経験していれば、自然と身に付くスキルばかりです。

だから、履歴書に「一人薬剤師の経験あり」と書ければ、転職にめっちゃ有利ですよ。

一人薬剤師に向いている薬剤師の特徴

3店舗で一人薬剤師をしてきた私の経験をもとに、一人薬剤師に向いている人の特徴をまとめました。

  • 些細なトラブルでパニックにならないこと
  • 外来が混雑してきても、落ち着いて調剤・監査・服薬指導ができること
  • 一人で仕事をしていても寂しくないこと

順番に解説していきます。

ささいなトラブルでも”パニックにならない”こと

複数の薬剤師がいる店舗だと、何かトラブルがあったときには、「どう対処しようか?」と他の薬剤師と相談することができます。

また、服薬指導中の患者さんからクレームがあれば、その患者さんの服薬指導に異常に時間がかかってしまい、

その結果、次の患者さんの服薬指導になかなか行くことができません。

そして、次の患者さんからも「薬まだなの?」とクレームが出てくる。

なんてことは、”一人薬剤師あるある”です。

そんなときに、パニックにならずに、冷静に対処する必要があります。

一人薬剤師をはじめてすぐは、なかなか対処することが難しいです。

しかし、パニックにならずに、自分なりの答えを探していけば、対処法を見つけることができるものです。

例えば、上記の例(クレームで服薬指導に時間がかかり、なかなか次の患者さんに薬を渡せない)の対処法は、

私なら、次の方法を短時間で済ませます。

  1. クレームを言っている患者さんの話しを聞く
  2. クレームの内容の要約を伝えた上で、謝罪する(患者さんの話しが長い場合は有効)。
      例:「〇〇ということですね!それは、大変ご迷惑をおかけしました」と
  3. クレームに対する対処(行動)をする。
      例:「次回からはこのようなことがないように注意致します」と返答。
      例:薬が間違っていたのなら、健康被害がなかったかを確認した上で、正しい薬をお渡しする。
  4. 最後に、もう一度謝罪する。

※一人薬剤師なら、3.のクレームに対する対処は、ある程度自由に選択することができます。
 なぜなら、自分が店舗運営を判断する管理薬剤師ですから。

外来が混雑してきても、落ち着いて対応できること

これも、上記の「パニックにならないこと」と似ているのですが、「忙しくても、落ち着いて”優先順位”を付ける」ことが求められます。

一人薬剤師をはじめたばかりの頃は、外来が混雑してきたとき、なかなか優先順位をつけるのが難しいかもしれません。

私が一人薬剤師をしていたときから、「外来が混雑してきて、めっちゃ忙しい~~~」ときの対処法は、

  1. 1~2秒深呼吸をして
  2. 周りを見渡して、いまやるべきことを把握する

です。

1~2秒深呼吸をすることで、忙しくてパニックになりかけている”頭”がリセットされます。

そのうえで、やるべきことを見渡すことで、優先順位をつけることができるのです。

”深呼吸して、周りを見渡す”のに、10秒もかかりません。

だけど「周りを見渡したところで、やるべきことは減らないのでは?」

と思われるかもしれませんが、

周りを見渡して、いまやるべきことは何かを把握していないと、優先順位をつけることすら出来ません。

落ち着いて、周りの状況が把握できれば、「自分が考えているほど、大忙しじゃないんだ」ってことが分かってきます。

なんせ、パニックになる直前は、自分で「自体をおおげさにとらえている」ことがほとんどですから。

外来が混雑してきたら、いったん深呼吸で落ち着いて、周りを見渡しましょう。

一人で仕事をしていても寂しく感じないこと

一人薬剤師では、昼間などの、患者さんが来られない時間帯は、店舗内が静かで「シーーーン」としています。

  • 空き時間は、いつも他のスタッフとお話をしている
  • 何時間も一人でいるのは寂しい

という薬剤師にとってみれば、静けさが漂う「シーーーン」とした店内で、一人でいることは、苦痛に感じるかもしれません。
  
一方、昼間の数時間くらい「一人の時間を楽しんでみたい」と思われるのなら、一人薬剤師の昼間の”ひとり時間”は、めちゃくちゃ貴重な時間です。

ちなみに、一人薬剤師の昼食は、カップ麺だけは避けた方がいいです。

なぜなら、昼休憩のときは、卸しやMRがくる可能性があるため。

もし、カップ麺を食べようとしたときに、卸しがやってきたら。

「卸しが帰って、カップ麺を食べるころには、カップ麺は伸びて美味しくなくなっています。」

私は、何度か伸びた麺を食べたことがあり、「カップ焼きそばにしておけばよかった~」と後悔していました。

一人薬剤師のメリットがある薬局の特徴

一人薬剤師のメリットをいろいろと語ってきましたが、一人薬剤師の薬局すべてが、メリットを感じられる店舗とは限りません。

もし、一人薬剤師の薬局に転職をしても、「結局、大変なだけやん!メリットなんか全然ないやん!」ってことのならないようにしたいですよね。

3店舗で一人薬剤師を経験してきた私が、メリットを感じられる薬局の特徴を紹介します。

  • 事務スタッフが協力的で、調剤補助をしてくれる
  • 在宅や施設がない
  • 休みたい日や、忙しい日は、薬剤師のヘルプがきてくれる

順番に解説していきます。

事務スタッフが協力的で、調剤補助をしてくれる

薬剤師が一人だけとは言え、事務スタッフがいる店舗がほとんどでしょう。
  
この事務スタッフが協力的で、ピッキングなどの調剤補助をしてくれるからこそ、外来が混雑してきても、滞りなく仕事を回すことが出来ます
  
しかし、中には、「自分は事務で採用されたから、調剤補助なんかしたくない」という事務スタッフがいるのも事実です。

私が経験した「一人薬剤師の薬局店舗」でも、こういった事務スタッフがいる店舗がありました。

私の場合は、すぐにエリアマネージャーにお願いして、違う事務スタッフに交代してもらったので、ひと安心でした。

しかし、規模の小さい薬局だと、そう簡単に他の事務スタッフが見つかるものでもありません。

事務スタッフが協力的で、調剤補助をしてくれるかどうかは、要チェックポイントです。

在宅や施設処方がない

一人薬剤師で、在宅や施設処方がある店舗があります。

もし、在宅や施設の調剤や服薬指導をする時間帯だけ、他の薬剤師のヘルプをもらえるのなら、問題ないです。

しかし、一人薬剤師だけで在宅や施設を受け持ち、「帰りに薬をお届けする」といったことであれば、

結構ハードスケジュールです。

一人で外来処方をこなすだけでも大変なのに、さらに在宅や施設なんかを受け持っているようでは、身が持ちません。

在宅や施設がない一人薬剤師の薬局を探した方がいいです。

ちなみに在宅が1名だけで、ご近所の患者さんというのなら、やっていけるかもしれません。

昼間の時間帯だけ、一時的に「薬剤師外出中です」と札を掲げて、店舗を出ればいいだけですから、問題ないでしょう。

休みたい日や、忙しい日は、ヘルプの薬剤師がきてくれる

一人薬剤師のつらいところは、

  • 休めないこと
  • 外来が混雑する曜日・時間帯でも一人で頑張らないといけないこと

です。

こういう日だけでも、ヘルプに来てくれる薬剤師がいれば、本当に助かります。

このような、めっちゃ助かる「ヘルプ薬剤師」がきてくれる薬局を選んだ方がいいです。


以上のような一人薬剤師のメリットが感じられる薬局を探すための方法は、

「薬局薬剤師を辞めたい|転職に失敗しないための2つの情報と収集方法」で詳しく解説しています。

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